
ウポポイ(民族共生象徴空間)『新・年間パスポート』
メインビジュアル・イラストレーション&デザイン制作 / 2026
アイヌの伝統と精神世界に深く寄り添い、未来へと紡ぐ、優しさと温もりに満ちたアートワーク。
「国立アイヌ民族博物館」と「国立民族共生公園」などで構成される「ウポポイ(民族共生象徴空間)」は、
先住民族アイヌの歴史や文化に関する幅広い理解の促進を図り、アイヌ文化の継承と創造発展を推進するナショナルセンター。
そのウポポイの新たな顔となる「新・年間パスポート」の2種類のうちの一種の全体デザインおよびイラストレーションを、
ウポポイPRキャラクター「トゥレッポん」の生みの親でもある絵本作家・そらが手がけました。
今回のクリエイティブにおいて追求されたのは、初めてウポポイを訪れる来場者やファミリー層、
そして未来を担う子どもたちがアイヌ文化へ優しく触れるための「親しみやすさ」と、
何世代にもわたり受け継がれてきた伝統文化との優しい調和です。
そらは、ウポポイPRキャラクター「トゥレッポん」を手がけたことをきっかけに、万物にラマッ(霊魂)が宿るという素晴らしいアイヌ文化の精神世界に出会いました。今回の制作にあたっては、ウポポイの広大なフィールドに実際に身を置き、刺繍や木彫りといった伝統工芸の体験や取材を重ね感じ取った文化の息吹や豊かな精神世界から着想を得て、一つひとつのモチーフに命を吹き込むようにしてアートワークを描き上げました。
パスポートの券面に細やかに散りばめられているのは、アイヌの伝統的な暮らしを伝える全18種類に及ぶ多彩な意匠です。美しい刺繍が施された伝統衣服「ルウンペ(ruunpe)」や鉢巻き「マタンプシ(matampus)」、伝統家屋「チセ(cise)」、自然の恵みをいただく温かい汁物料理「オハウ(ohaw)」、伝統的なお団子「シト(sito)」など、これらはすべてウポポイの園内で実際に本物の文化として出会い、五感で体験できるモチーフとなっています。
単なる入場証としての枠を超え、手にした瞬間からアイヌ文化の深い魅力や歴史の物語へと誘う、温もり溢れるクリエイティブを展開。子どもたちをはじめとする多くの人々がアイヌ文化に優しく触れるきっかけになることを願い、観る人の心を優しく包み込みながら、ウポポイでの特別な時間を何度も楽しむためのパスポートとして誕生しました。
Client: UPOPOY NATIONAL AINU MUSEUM and PARK Illustration & Design: SORA